米インディアナ州インディアナポリスの女性高校教師は、毎日授業が始まる直前、透明のビニール袋をつかみ、リボンで自分の腰にしっかり結び付ける。このお手製ウエストポーチは、生徒から没収した、もしくは生徒が自主的に提出したスマートフォン(スマホ)を保管する場所だ。  「フォーニー(いんちき)パック」と彼女が呼ぶこの貴重品袋には、電子機器を遠ざける目的の他に、スマホが視界に入るようにして生徒の不安を鎮めるという効用がある。  スマホはかねて、教師や学校管理者にとって災難のもととなっている。あらゆる厳格な措置を講じ、教室にスマホを侵入させない努力をしてきた。