「鍋で一家団欒を楽しむのと
同じゲーム」というビジョン

私が抱いていたビジョンは、他にもたくさんありました。

・うちのおばあちゃんでも遊べるゲームがあればいいのに
・ゲームが趣味ですって言うときに、堂々と胸を張れる自分になれたらいいのに
・鍋で一家団欒を楽しむのと同じように、ゲームを楽しんでもらえたらいいのに

たとえば、「鍋で一家団欒を楽しむのと同じようなゲーム」というビジョンを思いついたとき、私の頭の中には次のようなイメージが広がりました。

・家族みんながテレビを見て笑顔になっている
・身を乗り出している人がいる
・部屋の中に湯気が広がり、しっとりとして湿気が高い感じ
・外は薄暗く青みを帯びている一方で、家の中は明るく暖かみのある色合い
・「肉ばかり食べるな!」と誰かが誰かを冗談っぽくたしなめているが、たしなめられているほうも楽しげに笑っている

Wiiというゲーム機をご存知の方なら、これらのイメージはWiiにも通ずるものがあると感じていただけるかと思います。
実際にWiiのCMを見てみても、タレントさんが互いに冗談を言い合いながら、笑いながら、体を動かしながら、あたたかい雰囲気の部屋でゲームを楽しんでいる場面が数多く出てきます。家族や仲間でゲームを楽しむというしあわせな時間のイメージは、私にとっては「鍋」という言葉に凝縮されていました。それは、今でも思い出すたびに心がほっこりするほど大切な、私のプライベートなビジョンでした。

しかし、これほどまでに大切に思うビジョンであっても、否定するのは実は非常に簡単なんです。