【北京】中国の習近平国家主席はこれまでの7年間、権力の独占に努め、同国で数十年見られなかったほどの権力集中を実現してきた。  その習氏が、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、中国共産党のナンバー2である李克強首相に対応の主役を譲る決断を下した。これは習氏と李氏の双方にとってリスクと機会をはらむ役割交代となる。  ウイルス対応で珍しく脚光を浴びることとなった李氏は、かつて経済自由化の旗手になり得ると見られていたが、習氏によって脇役に追いやられた。今後は27日に武漢を訪問した姿がレガシー(遺産)となり、危機時のヒーローとして人々の記憶に残る存在となるかもしれない。