ある夕方、モーツアルト作「魔笛」の序曲のリハーサルが始まってすぐ、アマゾンのソフトウエア開発エンジニア、シンフイ・シューさんは台の上から両腕を振った。蛍光灯に照らされた会議室で音楽が止まった。「その強さの半分で演奏して。はい、その半分、今度はその半分」。譜面台の後ろにいる数十人の同僚に指示を出し、音が小さくなると「そう!」と声をかける。アマゾン・ミーティング・センターで行われる次の公演まで「あと2週間ですよ」とシューさん。聴衆は約500人の予定だ。アマゾン・シンフォニー・オーケストラは100人近い社員で構成し、ベートーベンの「交響曲第5番」からディズニーの「フローズン」(邦題:アナと雪の女王)まで幅広いレパートリーを持つ。ボーイングやイーストマン・コダックなどで続いてきた企業内の音楽活動という伝統に加わった多くのグループの1つだ。
アマゾンとグーグル、共通項は社内で音楽活動
両社にはオーケストラが、セールスフォースにはアカペラグループがある
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