大阪メトロやJR東日本も
実証実験に乗り出す

 課題は改札通過がスムーズに行われるかだ。誤解されることがあるが、QRコードは読み取り速度を重視して開発された規格であり、Suicaなど交通ICカードで採用されているFeliCaほどではないにしても、QRコードそのものの認証が遅いわけではない。QRコードの認証に時間がかかるケースの多くは、読み取りがスムーズにいかないことによるものだ。

 実際、「ゆいレール」や「北九州モノレール」ではQRコード乗車券の導入当初、慣れない乗客が改札通過に手間取り、滞留が生じるという事例が多数見られた。しかし両社に話を聞くと、告知の強化や読み取り部を強調するマークの設置など案内を強化したことで、導入から5年以上が経過した現在では相当改善が進んでいるという。ただ、県外からの来訪者など、不慣れな利用者は依然として戸惑うことが多いようだ。

 こうした問題を解決していくためには今後、規格の統一を進めていくことが必要だ。例えば「ゆいレール」では出場時にQRコード乗車券を読み込ませるが、乗車券は回収されずそのまま手元に残る。しかし「北九州モノレール」では使用済み乗車券が散らかることや、使用済み乗車券でトラブルが起きないよう、認証後、乗車券を回収する仕組みになっている。利用者の混乱を避けるためには、こうした営業制度を統一するとともに、読み取り端末の形状や、分かりやすい表示方法を研究する必要があるだろう。

 大阪メトロは昨年12月から、ドーム前千代崎駅に次世代改札機の試作機を設置し、QRコード乗車券の実証実験を開始している。JR東日本も5月から6月まで、新宿駅と3月に開業予定の高輪ゲートウェイ駅に新型自動改札機を設置し、QRコード乗車券の実証実験を実施する計画だ。今後、10年のうちにQRコード乗車券は日常的な光景になるはずだ。そのためにも、今のうちから将来を見据えた動きが求められることになるだろう。