2019年度も折り返し地点を過ぎた。鉄道業界では例年、上半期に準備を進め、下半期にサービス開始というパターンが多い。そこで、2019年度下半期に予定されている延伸サービスや駅の大規模工事、注目のダイヤ改正や駅名改称、さらにサービス休止などをまとめてみた。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

成田空港へのアクセスは大幅改善!
日本最古のモノレールは乗り納めに

京成電鉄のスカイライナー10月26日のダイヤ改正で運行本数が1.4倍に増える京成電鉄のスカイライナー。都心から成田空港へのアクセスが大きく改善する Photo:PIXTA

 早いもので2019年度も折り返し地点を過ぎてしまった。10月1日から消費税率が10%に改正され、鉄道・バスなど公共交通機関はそろって運賃改定を実施するなど、下半期は初日から慌ただしく始まった。また同日、沖縄唯一の鉄道路線である「沖縄都市モノレール(ゆいレール)」が、首里~てだこ浦西駅間(4.1km)を延伸開業している。

 鉄道事業者に限った話ではないが、年度単位で進行する事業計画はどうしても、上半期に準備を進めて、下半期にサービス開始することが多くなる。年末から年度末にかけて、ダイヤ改正や新たなサービスの導入が相次ぐのはこのためだ。というわけで、下半期に予定されている鉄道の「変化」について、首都圏のトピックスを中心に紹介していこう。

 まず今月末、10月26日に予定されているのが、京成電鉄と京急電鉄のダイヤ改正だ。

 京成電鉄は都心と成田空港を結ぶ特急スカイライナーの運行本数を1.4倍に増発し、空港アクセスを強化する。これまで日中は40分間隔だったが、今後は6時~17時まで20分間隔の運行になる。また成田空港の運用時間が延長されることを受け、早朝・深夜便に対応するためにスカイライナーの始発列車を18分繰り上げ、最終列車は2時間繰り下げるなど、運行時間帯を拡大する。

 京急電鉄は、着座サービスを強化する。2015年から運行している、平日朝ラッシュ時間帯の上りライナー列車「モーニング・ウィング号」を1本増発するとともに、土休日の日中時間帯、上下計17本の快特列車の2号車に座席指定制の「ウィング・シート」を新設する。

 休止(事実上の廃止)が迫っているのは、1957年に開業した日本最古のモノレール「上野懸垂線(上野モノレール)」だ。上野動物園内を走る全長300mの路線だが、遊具ではなくれっきとした交通機関である。最後に一度乗っておきたい人は、10月31日のラストランの前に別れを済ませてこよう。(「上野動物園を走る日本最古のモノレール、老朽化で今度こそ廃止か」参照)