ドナルド・トランプ米大統領に対する上院の弾劾裁判で31日、共和党は民主党が要求していた新たな証人の招致と書類提出を阻止した。権力乱用と議会妨害の罪状を巡り、速やかに無罪評決で結審する道が開かれた形だ。この日の採決は共和党指導部に大きな勝利となる。共和党は可能な限り早期に裁判を終結させ、政治的ダメージをもたらしかねない証言を回避することを目指してきた。トランプ氏は自らが政治的に有利となるような捜査の開始を求めてウクライナに圧力をかけたとされ、民主党はここ数週間、ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)らの招致を上院に求めていた。新証人の招致を求める動議は反対51、賛成49の僅差で否決された。共和党からはミット・ロムニー上院議員(ユタ州)とスーザン・コリンズ議員(メーン州)が賛成に回った。民主党は全議員が賛成する一方、共和党は2人を除く全議員が反対した。