「引きこもり」サポート団体が
クラウドファンディングを始めた理由
引きこもる本人や家族のライフプランをサポートしている「一般社団法人OSDよりそいネットワーク」が、お金のない当事者を支援するための資金を募る目的で、クラウドファンディングを始めた。
OSDは、「O=親が、S=生前に、D=できること」の略で、「親亡き後、残された子は、どう生きればいいのか?」と思い悩む「ひきこもり家族」の声から生まれた、医療や福祉、法律、お金、不動産などの専門家集団だ。
特に40歳以上の引きこもり状態の当事者を中心に、生きづらさを抱える中高年が生きていくために様々なサポートをする団体として立ち上がり、引きこもり当事者が注目される事件が相次いだ直後の2019年7月からは、新たな会員向けサービスを開始した。
80代の親が収入のない50代の子の生活を支えて行き詰まる「8050問題」は、「家の恥」という独特の価値観の中で、家族全体が地域の中で孤立し、見えなくなるのが特徴だ。また、公的機関に相談しても、従来の就労をゴールにした現実にそぐわない支援や役所の縦割りの構造から、本人や家族の望むような生活支援が受けられず、「行政は当てにならない」という批判が根強かった。
そんな中、OSDは普段から、家族や本人の個別相談のほか、講演会や親の学習会を定期的に開催。ひきこもり当事者と家族を中心とした居場所「OSDサロン」を豊島区巣鴨に開設している。19年10月からは、「ひきこもりカウンセラー養成講座」や「今日から始める『8050問題対策』セミナー」という新しい活動もスタートさせた。