米民主党は今年の大統領選に向けた候補者選びの最初の党員集会で失態を演じた。民主党全国委員会とアイオワ州民主党を話のネタにした皮肉屋の楽しみは尽きない。同集会の最終結果はまだ出ていない。その原因は、党関係者らが開発した集計アプリのコーディングのエラーとみられる。カトリック枢機卿会であっても、教皇選出の投票経過を白か黒の煙で世界に知らせるぐらいのことはできるのに。今回示されたのは、選挙の信頼性について盛んに正論を説く党が、自ら行った選挙の信頼性を確保できなかったということだ。また、2016年の選挙の正当性について3年間にわたって疑問を呈してきた党が、自ら設計した選挙プロセスの正当性に疑念が生じるのを目の当たりにするということであり、米国の医療保険、エネルギー、金融などの分野の技術的管理を約束していた党が、票集計に関し大昔のアテネ市民以下の能力しか持っていないことが判明したことだ。