米フェイスブックがユーザーの個人情報を利用して競争相手を早い段階で認識し、排除しようとしたとされる疑惑を巡り、欧州連合(EU)の競争法(独占禁止法)当局が調査を強化している。複数の関係者が明らかにした。フェイスブックの同業他社や政治家は、同社がユーザー情報へのアクセスと引き換えに、提携先から情報を得て潜在的な競争相手を締め出そうとしたと主張。EU執行機関の欧州委員会は最近、この疑惑に関するフェイスブックの内部文書の入手に取り組んでいる。調査チームは、フェイスブックがソフトのインターフェースを変更してアプリ開発者がデータを利用できるようにした点や、2013年に買収したイスラエルの仮想私設通信網(VPN)アプリ企業オナボ(Onavo)の利用実態に目を向けている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は18年、フェイスブックがオナボからVPNの顧客による競合アプリの使用状況に関する詳細な情報を入手し、大きな脅威に成長する前に他社の情報をつかむことができた、と報じた。フェイスブックは昨年、オナボのサービスを終了した。