疫学者らは人工知能(AI)の手を借りて、これまでになく迅速かつ正確に感染症の流行を特定し、追跡している。それは、中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染経路を把握する上でも役立っている。感染病追跡を手掛けているトロントのブルードット社は、主要保健機関が新型肺炎の注意喚起を行う前の週に、自社開発したAIを用いてコロナウイルスの感染拡大について警告を発していた。そればかりか、ウイルスが次にどこへ広がるかを正確に予測していた。ブルードットの創業者で最高経営責任者(CEO)のカムラン・カーン氏は、「われわれはテクノロジーにおけるデータと分析の活用に関する新境地の開拓を目指している」と語る。従業員わずか40人の同社のように、AIを使って疫学の限界に挑もうとする企業は幾つかある。感染症流行の追跡にAIを活用しているある非営利団体も、やはり主要保健機関が発表する前の週に、コロナウイルスの拡大について警告を発していた。