米アリゾナ州在住のジェイ・ムーラーさん(33)は約10年間、投資を増やそうと思ったときは、スマートフォンのアプリを開いて株式や暗号資産(仮想通貨)を購入していた。今は車に乗り込む。運送業界で管理職を務めるムーラーさんは、2カ月ほど前から地元のコインショップを訪れて現物の銀を購入し始めた。きっかけはユーチューブ動画や銀の価格急騰だ。最初は合計3オンス購入し、約150ドル(約2万3400円)かかった。それ以来、余った資金で約60オンス分の装飾品やコインを集め、自宅の金庫に保管している。「価格が急騰しているのは知っているが、売るつもりはない」とムーラーさんは話した。銀に目を付けたのはムーラーさんだけではない。今年は貴金属相場が上昇し、金(ゴールド)は名目でもインフレ調整後でも最高値の更新が相次いだ。銀も高騰し、幅広い個人投資家が殺到。新たに熱心なコレクターとなった人もいれば、米ネット掲示板レディットに感化され、保管不要の銀に投資できる上場投資信託(ETF)を売買している人もいる。