レオパレス21宮尾文也社長みやお・ぶんや/1960年、北海道札幌市生まれ。83年、早稲田大学第一文学部卒業後に中道リース入社。90年レオパレス21入社、2008年リゾート事業本部部長、10年経営企画部長、13年執行役員などを歴任。19年5月、施工不備問題に端を達した経営陣の刷新により深山英世氏の後任として社長就任。 Photo by Masato Kato

賃貸アパート大手レオパレス21の宮尾文也社長がダイヤモンド編集部の取材に応じ、施工不備問題で傾いた経営の再建策について語った。同社を巡っては、旧村上ファンドの村上世彰氏が関わる投資会社レノが取締役1人を推薦する株主提案をし、2月27日に臨時株主総会が開催される。レノ側が提案する賃貸事業の譲渡について宮尾氏は「誰かに譲渡してしまえば、レオパレスは空っぽになってしまう」と述べ、断固反対する姿勢を示した。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

村上氏側との対立「全然収束していない」
レオパレス社長が交渉の舞台裏激白

――レオパレス21(以下レオパレス)の臨時株主総会を巡り、1月28日にレノが現取締役10人全員の解任議案を撤回しました。これをもって対立は収束に向かうとの観測もありますが、本当にそうなのでしょうか。

 いえいえ、収束したなんて全然思っていません。

 レノ側は今も取締役1人の選任議案を取り下げていません。(村上世彰氏側近の)大村将裕氏です。われわれは彼の選任に反対しています。

 実はわれわれが27日に会社提案を公表する前日、大村氏から連絡がありました。日曜日です。その内容は「取締役10人の解任議案は取り下げるから、その代わりに(レノ側が当初提案していた)取締役3人の選任議案を会社提案にしてほしい」というものでした。

――どういうことでしょう。