アクティビスト(物言う株主)の動きが活発化している。1月下旬には、国内外のファンドが3月の株主総会に向けて相次いで株主提案を表明した。さらに、水面下でも物言う株主は、環境面の変化も追い風にしながら、着実に存在感を高めている。日本企業は対応に苦慮する中で、企業価値の在り方と真剣に向き合う命題を突き付けられている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田幸平)
「水面下でもアクティビストの動きは活発になっていますね」──。
企業の株主対応支援を手掛けるアイ・アールジャパンの北村雄一郎・投資銀行第一本部長は、12月期決算企業が3月に迎える株主総会シーズンを前に、こう話す。
アクティビストとは、投資先企業へ積極的に働き掛けて企業価値向上を目指す機関投資家、いわゆる「物言う株主」のこと。経営陣との対話や交渉、株主提案などを通じ、増配や企業ガバナンス(統治)の改善といった面から圧力をかけることが多い。株主対応を迫られる企業から、アイ・アールジャパンへの相談は引きも切らないという。
直近でも、株主提案という形で国内外の物言う投資家の主張が相次ぎ表面化した。スパークス・グループ傘下の資産運用会社で対話型ファンドを運用するスパークス・アセット・マネジメントと、香港のアクティビストとして知られるオアシス・マネジメント・カンパニーが1月下旬にかけ、それぞれ投資先企業に3月の総会で提案を行う方針を表明したのだ。