ドナルド・トランプ米大統領が上院での弾劾裁判で無罪となった後、われわれはトランプ氏の過去を踏まえると彼が順境に耐えられないことが分かると書いた。それにしても早かった。大統領が今週、盟友で共和党系ロビイストのロジャー・ストーン被告に対する求刑について矢継ぎ早にまくし立てたことは、自身のみならず、司法省、行政権に関する適切な理解にとっても打撃となった。これは同氏の基準で見ても著しく自滅的な行動だった。トランプ氏は当初出されたストーン氏への7~9年の求刑についてツイッターで激しく批判したが、これは敵対勢力に新たな攻撃手段を与えることになった。求刑が重すぎるという主張は正しい。ストーン被告は議会での虚偽証言の罪を問われており、この罪での収監期間は最低限で済むことが多い。別の証人に虚偽証言をするよう圧力をかけた罪はより重いが、その行為には「死を覚悟しろ」といった虚勢による脅しが含まれており、証人自身も文字通りには受け止めなかったと語っている。