EUとの新経済貿易協定
締結に向けた交渉が始まる
2020年1月31日、英国は欧州連合(EU)から離脱した。
2016年6月の国民投票から3年半がたち、この間、英国では2度の首相交代と2度の総選挙が行われた。国民は「ブレグジット疲れ(Brexit fatigue)」に陥り、英議会は機能不全に陥った。
ボリス・ジョンソン首相のもとで、まずは英・EUの新しい関係性を定めた包括的な経済貿易協定締結に向けた交渉が始まるが、関税撤廃のほかにも、政府の補助金や法人向け課税、環境基準、漁業権などの問題で隔たりがある。
2020年12月末の移行期間までに協定締結にこぎつけるのは難しそうだ。
また将来、EUとのFTAが結ばれたとしても、EU残留の場合より英国経済の潜在GDPは低下するとの見方が大半だ。
英国はどこへ向かうのか、新たな“実験”になる。