ブレグジット確定で英国が改めて抱えた「ナショナリズムの“暴走”」問題スコットランドの独立を支持する人たちの集会 Photo:Jeff J Mitchell/gettyimages

予想を超えた保守党大勝
背景に「決められない政治」へのいら立ち

 12月12日に投開票が行われた英国の総選挙では、与党保守党が事前の予想を超え、過半数を大きく上回る議席を獲得した。これによって、来年1月末の英国のEU離脱がほぼ確定的になった。

 保守党の勝利は、5月のEU議会選挙で第1党になったブレグジット党が、離脱強硬派のジョンソン氏が新たに党首になった保守党に事実上の選挙協力をしたことが直接の要因だ。

 だがもう少し長期的に見れば、2016年5月の国民投票で離脱が選択されて以降、離脱の条件に関するEU側との交渉とそれに関する国内の政党間の合意形成が難航し、何度も離脱延期になり、「決められない政治」が続き、先行きの見えない停滞感がさらに強まっていたことに、国民全体がいら立っていたということがあるだろう。

 残留の可能性を含め、国民投票を再度、実施するというだけで、党自体の方針を示せなかった労働党に比べて、分かりやすい方針を掲げる保守党に勝たせた方が、さっさとけりがついてすっきりすると考えた有権者が増えてもおかしくない。