元米外交官のテレーズ・シャヒーン氏の自宅でコンピューターがチカチカし始めたのは10年ほど前だった。その後、自分が作成していないアカウントにアプリがログインするようになった。電話は勝手にダイヤルを繰り返し、同氏の名前をかたったソーシャルメディアの偽アカウントが出現するようにもなった。こうした怪現象の解明のためシャヒーン氏が採用したサイバーセキュリティー会社は、同氏がサイバー攻撃の標的となったとし、攻撃は中国から行われている可能性が高いと結論づけた。同社のリサーチャーによると、そうした結論を出す根拠となったのは、攻撃の背景にあるインターネットアドレスの出どころが香港であることを突き止めたのに加えて、シャヒーン氏が中国に対して批判的な立場をとっていたことだ。シャヒーン氏は以前、台湾に駐在する米外交官として高いポストに就いていた。