宇都宮に餃子通り誕生!
ライバル関係で火花散る
今回は、総務省の家計調査のデータを使って、ギョーザ、豚肉、牛肉の消費金額ランキングを都市別に作成した。消費金額は1世帯(2人以上)当たり。対象は、都道府県庁所在地と政令指定都市の計52都市である。2015~19年の5年間を集計することで、傾向を分析してみたい。
まずは毎年、宇都宮市と浜松市がトップ争いを繰り広げるギョーザから見ていこう。消費金額は、専門店や小売店の総菜が対象で、冷凍ギョーザや外食は含まない。19年は宇都宮市が4358円で1位。2位は浜松市で3504円だった。宇都宮市の首位奪還は2年ぶりとなる。
過去5年間を振り返ると、浜松市が首位だったのは15年、16年、18年(2位はいずれも宇都宮市)。逆に、宇都宮市がトップだった17年、19年は、浜松市は2位となっている。
両都市では、宇都宮餃子祭り実行委員会主催の「宇都宮餃子祭り」、浜松餃子学会主催の「浜松餃子まつり」が、それぞれ毎年開かれている。
18年には宇都宮市が、地元商店街と連携して市の中心部に「餃子通り」という愛称も付けた(ちなみに、この通りのマンホールのふたは、ギョーザ柄になっている)。これも19年の逆転劇の一助になったのかもしれない。
お互いがお互いをライバル視して張り合うことが面白く、注目を集めているのだ。
ただ、ギョーザの都市間競争は、3位争いも熱い。19年の3位は、京都市で2787円。京都市といえば、餃子の王将を全国展開する王将フードサービスの本社がある。
一方、宮崎市は2385円で9位だったが、15年、16年、18年はそれぞれ3位に入っている。宮崎県は、肉牛や豚の畜産農家の戸数が全国でもトップクラスで、“畜産王国”と呼ばれているのだ。
なお、京都市は15~18年の4年間、4位に付けている。20年は、宮崎市が京都市に対して巻き返せるかどうかが焦点となる。
19年のギョーザ消費金額のワースト3も紹介しておこう。52位は青森市で1494円。51位は広島市で1585円。50位は高知市で1614円だった。