王将フードサービス代表取締役社長渡邊直人氏Photo by Koyo Yamamoto

店のコンセプトから料理の1皿に至るまで、外食産業の経営者は消費者の心をつかむスペシャリストだ。個性派ぞろいの「外食王」たちは何を考えているのか。連載『外食王の野望』で取り上げる外食トップのインタビューを通じ、そのノウハウをおいしくいただこう。今回は王将フードサービスの渡邊直人社長。外食業界の競合の社長に「王将のギョーザはおいしい」と言わしめるギョーザの秘密を明かしてもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)

値段だけで勝負するのが難しい時代
「原点回帰」がキーワード

――渡邊社長自身は積極的な露出を避けていると聞きました。

 社長が前に出るのは良くないと思います。私は後ろで支えていたい。前に出る人物は、実際に現場を仕切っている店長や、製造担当者であるべきです。社員には、最終責任は俺が負うから、思い切ってやりなさいと言っています。

――王将が目指す道はどこでしょうか。

 数を追い求めるところから、質を極めていく時代になっています。ただし王将にとって、「リーズナブル」は外せないキーワード。安さだけを追い求めるのではなく、安心・安全でおいしいもの、つまりコスパの良い商品を作っていきます。どれだけクオリティーを上げていけるかが鍵でしょう。