総菜店やパン屋も
対策をすべき

 実際、ウイルス感染ではないが、同じような事例が日本でも最近発生している。それは、2017年に埼玉県と群馬県の総菜チェーン店で購入した商品を食べた人たちが、腸管出血性大腸菌O157に感染した集団食中毒事件である。

 この事件では、感染者24人中22人が同じチェーン店の総菜やサラダを食べており、そのうちの1人、3歳の女児が死亡している。

 ポテトサラダが原因ではないかと疑われたが、結果的には原因不明で終わっている。しかし、当時、地元の保健所は衛生面の不備として「トングの使い回し」を指摘している。大皿に総菜が山盛りに盛り付けられ、その総菜を訪れる客が同じトングで取り分ける。このとき、総菜やトングが汚染されていれば、集団食中毒が発生する可能性があるのだ。

 この事件以後、スーパーマーケット等では、食中毒防止のために、できるだけ短時間でトングを取り換えるようにしている。バラ売りする総菜等にフタをかぶせている店もある。ビュッフェ方式でも料理にフタをかぶせているホテルや旅館もある。

 だが、衛生面から考えると、トレイや食器類は客が自ら取るのではなく、係の人が手渡しする方がより安全であり、最低限こうした工夫はするべきだろう。

 また、ビュッフェや総菜店のみならず、トングで好きな商品を選んで購入するパン屋も衛生面では好ましいものではない。大勢の客が、バラ売りされているパンの近くを通過する。立ち止まって見る人もいる。そのとき、せき込んだり、くしゃみをしたり、おしゃべりをしていれば、商品が汚染されるかもしれない。

 少なくとも購入した商品は、食中毒を防止するために食べる前に再度加熱して食べるのが賢明だろう。新型コロナウイルスも十分な加熱で死滅するとみられるため、同様の方法を取るべきだろう。