試食売り場も
感染のリスク

 もう1つ心配なのが、多くの外国人旅行者が訪れる観光地などでの試食販売だ。土産店や駅ビルのショッピングセンターの食品売り場では、菓子類、珍味類、漬物類など、さまざまな食品の試食販売を行っている。

 試食には、つまようじや小さなさじで少量取って食べる方式が多いが、なかには手で直接食べる人もいる。その手は、自分が食べる分だけでなく、他の商品に触れることがある。

 販売員とおしゃべりしながら試食をしている光景もよく見かけるが、それにより残っている試食品が飛沫汚染される可能性もある。

 スーパーマーケット等での試食販売は、ほとんどの場合、販売員が客に直接手渡す方法を取っている。以前は、販売員が休憩中で売り場にいないときでも自由に試食できたが、食中毒事件が多発したこともあり、衛生面を考えて多くの店では販売員がいないときの試食は行っていない。

 だが観光地では、人手がないことや、いつでも試食をしてもらいたいという「おもてなしの精神」もあるのか、店員がいないときでも試食ができる店が少なくない。

 どんな方法を取っても、感染者が試食をすれば、試食品や試食品の周辺がウイルスに汚染されることもある。だが、店員がいた方が、試食品を飛沫汚染させないよう防御することができるため、衛生面では良いだろう。

 試食販売は、観光地だけでなく、空港、高速道路のサービスエリア、市場等でも盛んに行われている。どんなに手洗いをしても、食品や食器類がウイルスに汚染されていれば、感染を防ぐのは容易ではない。日本の試食販売方式が裏目に出ることがあるかもしれない。

 試食販売は、店員がいるときだけ行い、客が試食を望んだときに初めて容器から取り出して客に手渡す方法が良い。新型コロナウイルス汚染を教訓に、今一度、衛生面を考え直すべきだろう。