1976年生まれ。元ライブドア堀江貴文氏やグリー田中良和氏など、インターネット第一世代として活躍した西村博之氏、通称「ひろゆき」。日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛けてきて、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」や新サービス「ペンギン村」の管理人を続ける。
そのロジカルな思考は、ときに「論破」「無双」と表現されて注目されてきたが、彼の人生観そのものをうかがう機会はそれほど多くなかった。
今回の新刊『1%の努力』(ひろゆき)では、その部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。

「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。
 つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」
「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。
 ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。
 そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より)

そう語るひろゆき氏。インターネットの恩恵を受け、ネットの世界にどっぷりと浸かってきた「ネット的な生き方」に迫る――

トップの人が下を殺しうる

ひろゆき氏 (撮影:榊智朗)

以前、孫正義さんが、「死ぬ気でやればやれないことはない」ということをツイッターに書いていて、それに僕が噛み付いたことがある。
孫さんのように人の上に立つ人が、下に向かって「努力しろ」と言うのは、社会にとって逆効果だと思ったからだ。

ついこないだ、日本軍はアメリカと戦争をした。あの当時、どう考えても日本軍がアメリカ軍と戦争して勝てるはずがなかった。
石油や弾の数、食料などの資源や物資の量が違うし、兵士の数も違う。
なのに、個人の努力でなんとかしようとして、結果、たくさんの人が命を落とした。上の人たちの判断で、多くの一般の人たちが犠牲になったわけだ。

下がいくら頑張ったところで、やはり勝てないものは勝てない
正しい戦略で正しい作戦かどうか。そういった上の判断が先にある。

社員はやっぱり悪くない

いま、東芝などの大企業が経営的に傾いている。
東芝の社員、1人1人の努力が足りないかというと、そうではない。
おそらく、他の企業と比べても、現場の人の努力の質や能力の差は、そこまでないだろう
悪いのは、経営層だ。

東芝の場合、原発事業に投資して赤字を垂れ流した結果、経営がガタガタになってしまった。
東芝の社員の努力が足りないわけじゃない。
大きな組織のトップになると、現場の状況がわからなくなって、「みんなの努力が足りない」などと言い出し、スタッフたちの責任にしたがる

しかし、本来はトップの判断の間違いで結果が決まってしまう。
ということは、逆も言える。