1976年生まれ。元ライブドア堀江貴文氏やグリー田中良和氏など、インターネット第一世代として活躍した西村博之氏、通称「ひろゆき」。日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛けてきて、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」や新サービス「ペンギン村」の管理人を続ける。
そのロジカルな思考は、ときに「論破」「無双」と表現されて注目されてきたが、彼の人生観そのものをうかがう機会はそれほど多くなかった。『1%の努力』(ひろゆき)では、その部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。
「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。
つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」
「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。
ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。
そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より)

そう語るひろゆき氏。インターネットの恩恵を受け、ネットの世界にどっぷりと浸かってきた「ネット的な生き方」に迫る――(こちらは2020年3月6日付け記事を再構成したものです)

デマに惑わされないために

世の中にはデマに惑わされる人が多くいる。

ワクチンを打たない人や頭の悪い人が大勢いて、全員を助けることは難しかったりする。

ただ、「事実やデータを探してみる」というクセを身に付けるだけでデマに騙されにくくなることはできる。そんな話を語っていこう。

「SNSで拡散したデマ」に惑わされた人たちの末路ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

これは、2018年のメキシコ・アカトランという町の話だ。

25歳のリカルド氏は、郊外に住む農家の叔父さんの井戸を作る手伝いで建築資材を買いに町の中心地に出かけた。

そのとき、街中で「臓器売買に関わってる誘拐犯がいる」というデマがメッセージアプリで広まっていた。

たまたま小学校の近くを通りかかったリカルド氏と、彼の叔父さんは、群集心理によって誘拐犯だと決めつけられた。

そして、逮捕され、近くの警察署へ連行されてしまった。

大衆の心理が人を殺した

「警察署に誘拐犯がいるぞ」

そんなデマがさらに拡散されて、警察署にたくさんの人々が集まった。

人々は警察署に押しかけ、二人を引きずり出した。

二人は群集にボコボコに殴打されて、リカルド氏は亡くなってしまった。それでも怒りの収まらない群衆は、叔父さんにガソリンをかけて生きたまま焼き殺した。

その様子がfacebookライブで配信された。

トイレットペーパーを買い占める心理

いま、日本ではデマによって、トイレットペーパーを買い占めてる人が多くいる。

先ほどのアカトランの話を聞いて、「そんな失敗は起こさないよ」と思ったかもしれないが、デマに騙されて行動する人が大勢いる点では、日本もたいして変わらないのではないかと僕は思う。

インターネット上のデマに騙されて誹謗中傷をしたことで刑事事件になった例が、日本でも複数ある。

ちなみに、アカトランの話では、そもそも誘拐された子どもなんていなかったようだ。その事実をちゃんと伝えていれば、デマをデマだと看破できたのだが、大衆には届かなかった

事実をもとにした行動をする

「事実やデータを探してみる」

そのクセを身に付け、それをもとにした行動をするようにしよう。

新型コロナウイルスの場合なら、専門家が出した「接触感染する」というハッキリしたデータがある。そこから導き出されるのは、「満員電車のように人に触れざる得ない場所には行かない」ということになる。

しかし、世の中には調べる労力を惜しむ人がいる。

パソコンやスマホがあれば調べるコストは、ほとんどゼロだ。

僕は「1%の努力」として、調べることは徹底的にやるようにしている

調べる労力を惜しんでいないか?

ぜひ一度、自分の考え方のクセを見直してみよう。

参考データ:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-46217585