低迷続けた商品市場は
感染抑制の失敗を見通していた

 日本経済の見通しの悪化は、為替相場にも変調をもたらした。感染拡大というリスクオフ要因が続く中、2月に入って円の対ドルレートは108円台から112円台にまで下落した。

 リスクオフの円高というセオリーと逆の動きをしたわけだが、これはリスクオフによる円高圧力を感染拡大による日本経済の先行き悪化という円安要因が上回ったためとみられる。リスクオフの円高は消えてはいない。市場心理が大きくリスクオフに傾いた24日に円高が進行したことが、その証左だ。

 株式市場が急落した背景には、経済の悪化見通しに加え、株式市場が新型肺炎の感染の先行きを楽観視した面もある。主要国の株価は1月下旬に下落した後、新型肺炎の感染拡大に拍車がかかり始めた2月初旬以降、逆行する形で上昇し、ニューヨークダウにいたっては史上最高値を更新した。楽観した分、その反動で下落幅が大きくなっているといえる。

 一方、株式と同じリスク資産である商品市場は、株価と違い1月に下落した後、2月初旬以降も低迷を続けていた。商品市場は株式市場より投機資金流入の割合が小さく、実需の動きをより反映すると言われている。

 原油価格の指標であるWTI(ウェスト・テキサスインターミディエイト)は、年初に1バレルあたり60ドル台前半だったが、その後下落し50ドル台前半での売買が続いていた。

 世界景気の指標とされる銅相場。その代表的指標であるLME(ロンドン金属取引所)の銅の3カ月先物も1月14日に1トンあたり6302ドルの高値を付けた後、急落し、2月3日には5525ドルの安値をつけた。その後回復したものの5700ドル台で推移していた。商品相場の方が、感染抑制に目途が立たない現状を先に見通していたと言えるだろう。

 新型肺炎の影響を楽観し、手痛いしっぺ返しを食らった株式市場は、感染のピークが見えない現状を今になって織り込みつつあるといえる。再び上昇に転じるには、感染抑制の目途が見えることが必須ではないか。そのときに商品市場も反発し始めてれば、上昇は経済実態を反映したものといえる。

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