コロナウイルス感染の広がり
経済活動への影響も懸念
新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大している。感染の世界的な広がりや社会不安の拡大などが警戒される中、経済活動への影響も懸念されている。
新型肺炎の感染は、中国国内に加え、中国国外でも確認され、世界保健機関(WHO)は1月30日、「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」に該当すると宣言した。中国政府は、感染者の多い武漢市などで、交通機関停止、駅・空港の閉鎖などの「封鎖」を実行。さらに中国の国内・海外の団体旅行を中止するなど、感染拡大に対する封じ込め策を実施している。また感染者の多い地域では、企業の操業停止の継続が指示され、操業再開を2月10日以降とするなどの措置がとられた。
こうしたヒト・モノの移動の制限が経済活動を阻害する公算は大きく、日本経済への影響も懸念されている。日本経済に与える影響については、中国経済の落ち込みから世界経済の成長ペースが鈍化し、日本企業の輸出が押し下げられることが考えられる。さらに、中国などにおける生産活動の停滞や日本への部品供給の滞りが、国内の生産活動を下押しする可能性がある。すでに自動車メーカーの一部は、中国から部品を調達しにくくなっていることを理由に、生産停止を決定している。