新型コロナウイルスの大流行が中国経済に与える打撃が深刻化する中、同国の指導者たちは非常に困難な決断に直面している。それは隔離政策などの規制をいつ緩和するのかという決断だ。こうした規制はウイルス拡散の防止に寄与している一方で、経済成長を苦境に陥れている。経済活動が依然停止状態になっている多くの地域で工場を再開し、労働者と物資供給を再始動させるために、規則を減らす必要性があるとの声は、産業界幹部や一部の地方政府指導者の間で次第に大きくなってきている。しかし、多くの地方政府当局者らは、こうした動きが感染の再拡大や流行の長期化を招き、自らの立場を危うくする恐れがあることを懸念している。ウイルス拡散を確実に防止しながら成長軌道を維持せよという習近平国家主席の要求は、実行困難な任務を押し付けるものだとの不満を、非公式には口にする者も多い。