『風、薫る』第3回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第3回(2026年4月1日放送)の「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)
「正しいことは難しい」「正しい人が嫌い」
今日から4月。『風、薫る』も4月になると本格的にはじまった感じがする。朝ドラは月〜金のサイクルなので、曜日の兼ね合いでキリよく3月末で前作が終わらず、3月末から新作がはじまってしまう。どうせなら新しい月からはじまったほうが気持ちはいい。
明治時代「トレインドナース」(正規に訓練された看護師)として人々のために働いた一ノ瀬りん(見上愛)と大谷直美(上坂樹里)。このふたりのバディ物語『風、薫る』はりんと直美がまだ出会っていない。
場面が栃木(りん)と東京(直美)を行ったり来たり。
3回まで見てきて、視聴者は自然と栃木のりん派、東京の直美派に分かれたのではないだろうか。
あなたはどちら派? もちろんどっちも派もあり。
りんは生真面目な人物。「正しいことは難しい」と父・信右衛門(北村一輝)と話す。
直美はちょっと反抗的な人物。「正しい人が嫌い」と過激なことを言う。
正しく生きたいと思いながらいつも間違えてしまうことに悩むりんと、はなから正しさに反感を持っている直美。この違いはふたりの育ってきた環境によるものだ。
りんは武家出身の父の生真面目な正義とか大義とか忠義のような精神性を受け継いでいる。
一方、直美は捨て子で家がないうえ、教会で育って西洋の宗教を信仰しているため世間から偏見の目で見られている。1873年(明治6年)にはキリスト教が解禁されているが、江戸時代、キリスト教を信仰する者は取り締まられていたので、解禁直後のこの頃、人々にはまだ偏見があったことだろう。







