中国では新型コロナウイルスの新たな感染者数が減少し、命が脅かされるとの恐怖心は薄れつつある。だが、その一方で、新たな課題が浮き彫りになりつつある。ウイルスとの戦いによって生活が一変した何億という人々の精神的負担だ。感染の中心地となった武漢出身のテレビ局プロデューサー、シャオシャン・リュウさん(25)は1カ月以上も両親と離れ離れになっていることに罪悪感を募らせている。武漢にいる両親は、感染の発生源になったとみられている市場からそう遠くない食料品店へマスクをせずに買い物に行った後、咳(せき)が出るようになった。リュウさんは春節(旧正月)の休暇に里帰りするため、1月22日に北京をたつフライトを予約していたが、武漢でウイルス感染がまん延しているとのうわさが広がったためキャンセルした。中国当局は23日、突如として武漢を封鎖した。