シリコンバレーの創業者を巡る神話に風穴を開けるという意味では、エリオット・マネジメントは比較的容易な標的を選んだようだ。アクティビスト(物言う株主)のエリオットが10億ドル(約1080億円)相当のツイッター株を取得し、同社に変革を迫っていると週末に報道されたことを受け、ツイッター株は2日の取引で約8%急伸した。過小評価されている企業に多くの苦情を並べ立ててきた過去の動きとは異なり、エリオットがツイッターで狙っているのは唯一、ジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)の退任か、もしくは少なくとも同氏をツイッターに専念させ、兼任するモバイル決済サービスの米スクエアのCEOから退かせることのようだ。ドーシー氏がツイッターのCEOに復帰した2015年以降、同社株がいかに伸び悩んできたかを考慮すれば、前者の選択肢が望ましいと感じられる。言うまでもなく、スクエアの方は投資家とドーシー氏個人にとって、より大きな見返りをもたらしてきた。スクエア株は15年の新規株式公開(IPO)以降、9倍に値上がりした。ツイッターはその間、わずか36%の伸びにとどまり、S&P500種指数すら下回る上昇率となっている。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、ドーシー氏が保有するスクエア株は今や50億ドル弱に達する一方、保有するツイッター株の価値はその10分の1程度だ。
ツイッターCEO、経営は1社に絞れ
スクエアCEOとの兼任が物言う株主の標的に
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