米企業が貴重な人材を手放さない努力を一段と強めている。労働市場のひっ迫により、従業員が他の会社で雇用機会を見つける可能性が高まっているからだ。  雇用主が社員の離職防止に躍起になるのには理由がある。昨夏、仕事を辞めた米国人は政府が統計を取り始めた2000年12月以降で最多を記録。今も離職者数は過去最多に近い水準で高止まりしている。それに伴い、欠員補充にかかる費用も上昇。コンサルティング会社ワーク・インスティテュートの報告によると、雇用主が負担する費用は2010年の3310億ドル(約35兆円)から2018年には6170億ドルに増加した。