普通に「そんなこと言わないでくださいよぉ」と返していた。これがこの現場監督のコミュニケーションだったのだ。

 ただし、これは私だけでなく、他の営業マンに対しても言っていた。冗談だとしても100回、200回ともなれば、さすがに悪い影響が出てくるものだ。どんな楽しい仕事も常に「うわぁ~、やりたくない」と言えば、つまらなくなるだろう。

 実際、この監督の現場はなぜかトラブルが多く、クレームも多く発生した。

 数年後、この現場監督はリストラ対象となり、会社から姿を消した。もともと能力は高い人だったのに…。

「言葉の力」を甘く見てはならない。あなたが思っている以上にパワーを持っているのだ。

潜在意識は
巨大なパワーを持っている

 人間の脳には“顕在意識”と“潜在意識”に分かれている。

 顕在意識は自分で意識できる部分で、潜在意識は無意識の部分。よくたとえられるのは氷山だ。氷山は海上に浮かんで見える部分より、海中に沈んで見えない部分の方がはるかに大きい。

 比率は、顕在意識が10%未満で潜在意識が90%以上といわれており、巨大なパワーを持っているのだ。

 この大部分を占めている潜在意識は、良いか悪いかなどの判断もなく、知らずしらずのうちに影響を受けるもの。自分の顕在意識では「冗談だ」と分かっていても、潜在意識にはそのまま刷り込まれてしまう。「やりたくない」と言えば、無意識のままに「やりたくない」とインプットされてしまうのだ。

 結果的に、悪い情報が蓄積されてしまうのだ。