上司と部下の立場が逆転する「さんくん交代」をはじめ、ビジネスの世界では自分の立場が奪われることは珍しくない上司と部下の立場が逆転する「さんくん交代」をはじめ、ビジネスの世界では自分の立場が奪われることは珍しくない Photo:PIXTA

営業やビジネスの世界では、上司と部下の立場が逆転するなど、自分の立場や仕事が奪われることがある。こうした危機意識を持ち続けることが重要だ。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)

ビジネスの世界に存在する
非情な「さんくん交代」

 営業やビジネスの世界には「参勤交代」ならぬ「さんくん交代」というものがある。さんくん交代とは、年下の後輩が上司になり、年上の先輩が部下になることを言う。

 文字どおり、「さん」と「くん」が交代するわけだ。

 今は営業の世界に限らず、年功序列の会社は影を潜め、実力主義の会社が増えてきた。後輩を「年下だから」とアゴで使っていると、そう遠くないうちに痛い目に遭うことになるかもしれない。

 私は数多くのさんくん交代を見てきた。その典型的な例を紹介しよう。

 ある不動産会社でのこと。東京の拠点の一つの営業所にAマネジャーという人がいた。