株式の投げ売りが比較的秩序ある形で行えるという意味で、金融システムは十分機能を果たしているように見える。これが市場の朗報である時、状況が良くないことは誰にでも分かるだろう。原油相場が過去30年で最大の下げ幅を記録し、米国では株価急落を小休止させるためサーキットブレーカーが発動され、欧州の主要製造業地帯の1つであるイタリア北部が封鎖されるなど、投資家にとって壊滅的なニュースはいくらでもある。2015~16年の石油ショックの際には、燃料価格の低下が米消費者に恩恵をもたらすという原油相場下落の明るい側面でさえも、もはや景気の支えにならなかった。こうしたメリットが、シェールオイル分野の投資急減で相殺されてしまったからだ。