原油価格が4年ぶりの安値水準まで下落したことを受け、石油会社は設備投資や株主還元を大幅に減らす見込みとなっている。サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは先週末、新型コロナウイルスの感染拡大に対して石油輸出国機構(OPEC)とロシアが減産で合意できなかったため、石油価格の引き下げに打って出た。一方でサウジは4月から増産を予定しているため、原油在庫はさらに増加する恐れとなり、サウジアラムコなどの上場済み石油会社はこの巻き添えとなって被害が生じるとみられる。英石油大手BPの株価は9日に19%以上下げ、英蘭系石油会社ロイヤル・ダッチ・シェルも18%安、仏同業トタルは17%安、そして米同業エクソン・モービルも約12%安となった。アラムコは12月に史上最大の新規株式公開(IPO)を実施したが、8日の株価はその際の価格を下回った。
原油価格下落、石油大手に圧力高まる
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