家庭用ウォーターサーバーと水の宅配を手掛けるアクアクララは2013年3月、小さな子どもを持つ親向けのコミュニティサイト「ベビアクア コミュニティ」を開設した。19年11月には対象を全ユーザーに広げてリニューアルし、「アクアクララ コミュニティ」をオープン。この間、コミュニティの活性化に努めながら、その会話やデータ分析から導き出した潜在ニーズを商品開発やサービス向上に生かしてきた。どのような取り組みを行ってきたのか、アクアクララの担当者2人とサイトの運営支援を行うクオンの担当者に聞いた。
アクアクララ FC企画本部 営業企画部営業企画課 伊藤純一課長
アクアクララ FC企画本部 営業企画部営業企画課 堀哲也主任
クオン カスタマーサクセス部 コンサルティング課 松本彰課長
「ママ同士が気軽に情報交換できる場」を目指した
――アクアクララは、2013年3月に「ベビアクア コミュニティ」をオープンしています。なぜコミュニティサイトを開設したのでしょうか。
営業企画部営業企画課 伊藤純一課長
伊藤 他社に先駆けて2009年12月からスタートした「ベビアクアプラン」は妊産婦または3歳未満の子どもがいる家庭を対象にした、子育てとママを応援するサービスでした。その後、11年3月の東日本大震災で東京の浄水場から放射性物質が検出され、東京都が乳児に水道水を与えるのを控えるようアナウンスしたことから、家庭用ウォーターサーバーの認知度が一気に高まりました。
しかし、ウォーターサーバーは、日常生活で実際に使ってみないと価値を実感しづらい商材です。そこでお客さまとのつながりを強化するため、小さなお子さまを持つお客さま向けに「ベビアクア コミュニティ」を開設しました。
――「ベビアクア コミュニティ」開始後の反響はどうでしたか。
伊藤 「ベビアクアプラン」を利用しているお客さま限定のコミュニティを目指してスタートしましたが、思ったように発言が増えませんでした。そこでクオンさんに相談し、1年後に大きく方針転換することにしました。将来的にアクアクララをご検討いただける可能性のあるお客さまを含めて、子育て層に広くアプローチする方向にかじを切ったのです。
松本 ウォーターサーバーの「お水」は、味や食感がそれぞれ異なる食品に比べると、感想を述べたり特徴を理解するのが難しいんですね。そこで、まずはママ同士が育児に関して気軽に情報交換できる場をつくり、その上でアクアクララのウォーターサーバーの便利さやお水のおいしさ、安心感に気づいてもらおうと提案しました。
堀 幸いにも方針転換は成功し、コミュニティが活性化しました。その後はお客さまの反応などをみながら、コミュニティのさらなる活性化に努めていますが、会話の盛り上がりを感じられるようになったのはここ数年ですね。SNSの普及によって多くの人がコミュニティでの発言に慣れてきたことも追い風になっているように感じます。