第三には、これも臨床試験として実施されてきた4つの薬剤のうち、2種類の治療薬が有効で、エボラ治療センターにおいての治療が可能になったことによると考えられている。

 ただ、どうして急激に減ったのか、本当の理由は不明である。

 2020年2月17日現在、感染者は、最初にこの地域で発生した北キブ州べニ市に限定されてきた。これまでは考えられなかった新規感染症ゼロ、死亡者ゼロという報告がされるようになってきた。もう一息である。

 相変わらず同地域の治安状況は悪く、反政府ゲリラのアタックが時々ニュースになっているため、いまだに再流行のリスクがあるのは変わらない。

日本での講演時に「エボラはもう収まります」
ムエンベ教授の慧眼

 このままであれば、エボラは終息に向かっていくと思われる。2019年8月に国立生物医学研究所(INRB)所長のムエンベ教授が、TICAD7(東京アフリカ国際開発会議)において、これまでの長年にわたるエボラ対策への貢献を理由として、日本政府から野口英世アフリカ賞を授与され、日本での講演時に、「エボラはもう収まります」と話したという。

 その時点では、現地ではまだ症例数が増えていて、コンゴ民主共和国、国連機関の関係者も、そんなことは考えられなかった時である。

 それまでの保健大臣主導の対策から、ムエンベ教授をトップに置き、対策が始められたばかりで、東京に行く前に現地を視察して、そう思ったようである。

 経験というのは尊いものであり、この時のムエンベ教授の慧眼(けいがん)に驚いたというのが正直な感想である。

残念なこと
「エボラマネー」で保健大臣が着服等の疑い

 西アフリカに次ぐエボラ大流行に対して、コンゴ保健省をはじめ地元の保健医療従事者の人々は、本当に長い戦いに対して諦めずによく頑張っていた。当然、国際機関や開発パートナーの援助も必須であったが、特に紛争地帯における戦いは、地域のコンゴ保健省関係者の地道な努力の賜物である。

 しかしながら、すべてが良かったというわけではなかった。