ざっくり「見える化」でお金が増える

 お金の正体とは感謝の気持ちです。数字で表現できるので、増える理屈はとてもシンプルです。貯めれば増えるから「足し算」が通用する。ムダづかいをすれば減るので「引き算」も通用する。正しく運用すれば増えるので「掛け算」も使えます。ところが現実は、理屈通りには行きません。なぜなら、基になる数字が見えていないからです。

・今、あなたの貯金残高や伴侶の貯金残高がいくらか、答えられますか。
・あなたの財布や電子マネーには、いくらお金が入っていますか。
・先月の生活費はいくらでしたか。
・昨年1年間に支払った税金と社会保険料の合計額を知っていますか。

 元の数字がわからなければ、足し算も引き算も掛け算もできません。そこで数字を把握するために、多くの人が家計簿にチャレンジしますが、ほとんどが長続きしません。

 また、多くの人がお金の本などを読み、お金を増やすつもりで投資商品を買いますが、投資商品の大半は引き算しかできないので、逆にお金が減っていきます。これではいつまで経っても、お金の悩みは尽きません。

 ではどうすれば、お金を増やせるのか?

 それは、お金という数字をざっくり「見える化」し、お金が増える足し算「+」の収入を見つけること。そして、お金が減る引き算「-」のムダづかいをやめることです。

 そのうえで、お金が増える掛け算「×」の金融商品と、お金が減る引き算「-」の金融商品を、ざっくり見分けられるようになることです。

 つまり、お金という「数字」と「+」「-」「×」とが、ざっくり見えるようになればいいのです。難しい金融知識はいりません。夫婦になることで自由に使えるお金が減るどころか、本来「+」になるものだとわかるでしょう。

 お金も投資商品も保険もマイホームもすべてそうですが、この世の資産や負債や商品は、中身がよく見えません。

 でも中身が「ざっくり」見えるようになれば、「ざっくり」計算できる。「ざっくり」わかれば、掛け算「×」の投資商品を買ったつもりがじつは引き算「-」の金融商品だった、ということもなくなります。

 このように、私が紹介する「ざっくり見える家計術」は、面倒くさいことを一切やらな
いので、挫折することもありません。