坂下仁(さかした・じん)
非営利型一般社団法人 お金のソムリエ協会会長
メガバンク行員として25年以上、個人の資産形成と数千件の法人融資にかかわり、全国の支店長を指揮・指導してきた。趣味で始めたセミナーは100名超のキャンセル待ちが続き、3年間で1000名超が受講する人気セミナーとなる。その後、顧客を踏み台にして儲ける銀行の姿に疑問を感じて退職し、お金のソムリエ協会を設立。1年間で40名超の認定講師を育成。本業以上の副収入を得て、夢を叶えてセミリタイアする会員も続出。「週刊ダイヤモンド」「PRESIDENT」「THE21」「ダイヤモンドZAi」「日経マネー」「朝日新聞」など、数々の雑誌・新聞に紹介される。
主な著書に、『いますぐ妻を社長にしなさい』(サンマーク出版)、『お金のプロに聞いてみた! どうしたら定年までに3000万円貯まりますか?」(共著、フォレスト出版)などがある。

著者からのメッセージ

 夫婦生活も人生も、「ざっくり見える化」できるかどうかが天国と地獄の分かれ目です。何も見えないと不安になるし、本当のところがわからなくなって判断を誤ります。お互いに疑心暗鬼にも陥るし、そこから誤解が生まれて亀裂が入る。

 でも、「ざっくり見える化」すれば、正しく判断でき、誤解が生じる余地もありません。

 もちろん、夫婦にもプライバシーはあるので、見え過ぎも困ります。大事なところは程よく共有しつつ、適度に「遊び」があったほうが、肩もこりません。夫婦円満の秘訣は、そんな適度な間合いに隠れているのだと思います。

 本書は、夫婦にフォーカスしたお金の教科書です。そして、お金と末永く仲良く付き合うコツが「ざっくり見える家計術」に凝縮されています。

 お金に限らず、夫婦関係も親子関係も、細部までは見えないけれど、ざっくり見えるくらいが心地よい。だから、まずは「ざっくり見える家計術」を実践しながら、適度な間合いを体感してください。お金を通してつかんだ心地よい距離感は、お金以外の家族の間合いにも応用できます。

『夫婦1年目のお金の教科書』では、「お金の絆」に注目して秘訣をお伝えしましたが、残りの2つの「心の絆」「体の絆」も大切です。特に「心の絆」は、その強さと太さが家庭の雰囲気を左右します。そこで最後に、心の絆を太く維持し続ける秘訣を2つ、ご紹介しましょう。

 1つ目は、将来の夢を「見える化」して夫婦で共有すること。家計ルールのテンプレートを私の公式ホームページからダウンロードし、一緒に書き込んでください。

 2つ目は、わが家の慣行・文化・伝統を少しずつ積み重ねていくことです。難しく考える必要はありません。たとえば、朝起きたら、おはようのハグをする。出かけるときは、いってらっしゃいのキスをする。一緒に外出するときは手をつなぐ。どんなに忙しくても、たとえけんかをしていても、この習慣だけは守る……など、ささいなことで構いません。

 私たち夫婦の場合も、そんなささいな習慣をたくさん積み上げてきました。そしてそれが安心感につながってきました。だからおじさんとおばさんになってもラブラブです。

 これらに加えて1つだけ、大きな伝統を作りました。それは結婚記念日には必ず一緒に旅をするということ。恒例行事化して新婚旅行感覚で楽しむと、意外なほどに新鮮です。

 この原稿も、結婚記念日のお祝いを兼ねた旅先にて執筆しています。もちろん毎年旅行に行くのは大変ですので、記念日にプレゼント交換して共に祝い合うのでも構いませんし、家族で食事に出かけるのでもよいでしょう。何でも構わないので、何か1つ家族の恒例行事を作ってみてください。1つでも家族の恒例行事があれば、1年ごとに心の絆が年輪のように層を重ねて厚くなり、強靭さを増していきます。

 こうして、お金と心の絆を太く強くしていけば、年老いて体の絆が弱まっても、二人の絆は安泰です。あなたにもぜひ、そんな穏やかで幸せな家庭を築きあげてほしい。「お金を通して家族の幸せを実現する」ことが私の使命なので、『夫婦1年目のお金の教科書』がそのお役に立てれば幸いです。


新刊書籍のご案内

夫婦1年目のお金の教科書 告知情報

夫婦1年目のお金の教科書 夫婦生活はお金の相性で決まる!
坂下仁著、本体1500円+税、ダイヤモンド社

★おうちは賃貸がいい? 購入が得する?
★老後に2000万円? それとも3000万円?
★投資するなら株式投資? 投資信託?
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★お金を貯めるなら財布は一緒? 別々?
ほか、夫婦で気になるお金の問題を42項目にわたって紹介。

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