本当の意味での「コロナ倒産」が
増えるのはこれから

 新型コロナが企業経営に及ぼす影響は、これから徐々に深刻化していくだろう。その証拠に、現時点で判明している12件すべては、もともと経営環境や業界環境の悪化などで経営難の状態に置かれていたという共通点がある。新型コロナが追い打ちをかけて法的整理または事業停止の決断に至ったものの、主要因にはなってはいない。そもそも新型コロナの影響が本格的に注目され始めたのは1月下旬。「会社はこんなにも早く倒産するものなのか?」という意見は多いはずだ。 

 今後、懸念されるのは、現時点では確認されていない新型コロナを主要因(直接的要因)とする法的整理や事業停止の動向だ。新型コロナ発生直前までは業績好調な優良企業であったとしても、終息までの時間が長期化すればするほど財務内容は悪化、従業員の士気も低迷していき、法的整理や事業停止に追い込まれるケースが出てもおかしくはない。さらに2次的な問題として、そうした企業を主力販売先としてきた企業の売り上げが減少、販売代金回収難などに見舞われ、連鎖倒産が発生する恐れもある。

 実際、帝国データバンクの調査によると、3月17日までに上場企業79社が新型コロナの影響を受けたとして業績の下方修正を発表した。減少した売上高は計5553億円に上り、業種別では「製造業」(38社、構成比48.1%)、「サービス業」(12社、同15.2%)、「卸売業」(11社、同13.9%)、市場別では「東証1部」(45社、構成比57.0%)、「東証2部」(17社、同21.5%)、「東証マザーズ」「ジャスダック」(各8社、同10.1%)と続いた。こうした動きの影響はこれから下請けの立場にある中小企業に徐々に波及していくはずだ。

(帝国データバンク情報部 情報編集課長 阿部成伸)