外国人客に人気の京都の町屋を改装したゲストハウス
外国人客に人気の京都の町屋を改装したゲストハウスが、宿泊キャンセル続出で経営危機に陥っている(写真はイメージです) Photo by Kosuke Oneda

宿泊キャンセルを知らせるGmailの通知音におびえる日々――。インバウンド客を狙ったビジネスモデルが、新型コロナウイルスの影響で危機に瀕している。外国人客に人気だった、京都の古い町家を改装したゲストハウスでは宿泊キャンセルが続出。借り入れを元手に経営していた事業主が苦境に陥っている。感染拡大の終息が見通せない中で、廃業・倒産が連鎖する恐れがある。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

清水寺の参道の人出はピークの2~3割
錦市場は卸の取引も激減でピンチ

 3月上旬、京都・清水寺の参道は、春休み中の大学生とみられる若い男女で予想外の賑わいをみせていた。ただ、一時はこうしたエリアを埋め尽くしていた中国系の観光客の姿はほぼ見られない。

「人出はピーク時の2~3割でしょうね。中国の人は気に入った和菓子やお漬物をまとめて買っていきはったけど、今年の売り上げは去年の3割程度ですわ」――。参道の土産物店で働く男性はこう嘆く。

 中国に端を発した新型コロナウイルスによる肺炎は、WHO(世界保健機関)が「パンデミック」を宣言するほど世界的に流行。この余波で2月以降、京都や大阪などを席巻していた中国系のインバウンド観光客を“蒸発”させた。

「京都の台所」こと京都市中京区の錦市場。買い食いするインバウンド観光客の姿は消え、見かけるのは日本人の買い物客ばかりだ。「地元客が中心の、本来の市場の姿に戻った」(豆腐店主)という声もある。しかし、地元住民や飲食店との取引が中心で、京野菜を扱う河一商店の河内昌史社長は、「むしろ国内での感染拡大によって、企業の会食禁止ルールが広がった。飲食店や料亭に野菜を卸す取引が激減している」と訴える。

 インバウンド依存ではなかった商店にも多大な影響を与えている新型コロナウイルス。ただ、よりダメージが大きいのは、“外需”を当て込んだビジネスであることは間違いない。