そもそも筆者は、過度な自粛を好まない立場であり、むしろ、自粛によって日本経済が立ちゆかなくなることを非常に恐れてはいる。

 ただむしろ、筆者が気になったのは、イベントへの参加者から上がった「感染は自己責任」「自己責任だから参加してもいいではないか」という言葉、またそういった意識だ。それはどこから生まれてきたのだろうか?

 感染の問題は、本当に「自己責任の問題」なのだろうか。

 筆者の立場から総合的に見れば、答えはNOである。しかし、NOだから「今回の行動はけしからん」では、思考停止になってしまう。

 なぜ、今回のように、「感染したって自分の責任だから何やってもいい」「自分はたくましいのだからコロナより強い」と考える人が多く出てしまうのだろうか。

 賛否両論はあるだろうが、社会保障制度や医療制度、国民皆保険制度のあり方や意義を考える材料として、読んでほしい。

「病気は自己責任」という
考えはどうして生まれるのか

 まず、筆者は医師でもあるので、医師としての立場で解釈してみよう。

 実は「疾病において自己責任」というのは、医師にも比較的受け入れられた考え方である。遺伝的な場合を除けば、生活習慣病のように「自分の生活がよくないのが大きな原因」だから、「病気は自己責任である」という考え方である。

 この考え方には、患者さんの多くも同意するだろうし、確かに医学的にはそうかもしれない。

 そして、平時の医療においては、先進国である日本やヨーロッパ、アメリカでは、医療の大半がこの生活習慣病対策に当てられているといっても言い過ぎではない。