一般の広告代理店は課題解決のプロだが、ぼくらが立ち上げたGOは事業成長のパートナーになる。立ち位置が、目指す場所がそもそも違う。

 作るのはCMだけじゃない。その事業を進めるのに最適な組織を作ったり、事業展開のアイデアを出したり、会社の名前や人事制度を考えたりもする。

 なぜそこまでするのか? 彼らは社会の変化を察知して「変わりたい。変わらなければ」という想いを胸に、ぼくらGOの門を叩いてくれるからだ。

 ぼくらは全力でそれに応えたい。「いいから行けよ」といういつもの口癖を、500万倍くらい丁寧に、大声で叫び続けたい。

 GOのクライアントに対するスタンスと、ぼくが『人脈なんてクソだ。変化の時代の生存戦略』通して皆さんに伝えたいことの根っこは、だいたい同じだ。変化の本質を把握し、凝り固まった旧来の発想にとらわれず、躊躇なく自分を変える。そのための知識と心構えと、ちょっとした工夫を書いた。

 昨日決まったビジネスのルールが、今日はがらっと変わっている。何十年も盤石だった 大企業が、ついこのあいだ起業したスタートアップにコテンパンにやられる。そんな激動の(でもクソ面白い)時代に生き残るのは、簡単なことではない。

 だけど、もう一度言っておこう。

 生き残るのは強い者ではなく、変化し続けた者だ。

かつて学者がやっていたことを、<br />今は起業家がやっているPhoto: Adobe Stock

起業家は仮説と検証のプロ

 起業家は仮説と検証のプロフェッショナルだ。
 社会というものが、これから先どうなるかわからない。5Gが普及したとき、あるいはAIが普及したとき、あるいは国境が全部消えて難民という概念がなくなったら、どうなるだろうか。

 今まで、そういったことに仮説を立てて考えるのは学者の仕事だった。でも、彼らは仮説しか立てなかった。あるいは分析までしかしなかった。ところが、起業家は仮説を立てて分析した上に検証までする。
 「日本でインターネットテレビ局をやってみよう」「国境関係なく、世界のすべての人が友達になるネットワークをつくろう」「ドローンで荷物を配送しよう」。

 ダメかもしれないけど、まずは検証しよう。それが起業家精神だ。