一般の広告代理店は課題解決のプロだが、ぼくらが立ち上げたGOは事業成長のパートナーになる。立ち位置が、目指す場所がそもそも違う。

 作るのはCMだけじゃない。その事業を進めるのに最適な組織を作ったり、事業展開のアイデアを出したり、会社の名前や人事制度を考えたりもする。

 なぜそこまでするのか? 彼らは社会の変化を察知して「変わりたい。変わらなければ」という想いを胸に、ぼくらGOの門を叩いてくれるからだ。

 ぼくらは全力でそれに応えたい。「いいから行けよ」といういつもの口癖を、500万倍くらい丁寧に、大声で叫び続けたい。

 GOのクライアントに対するスタンスと、ぼくが『人脈なんてクソだ。変化の時代の生存戦略』を通して皆さんに伝えたいことの根っこは、だいたい同じだ。変化の本質を把握し、凝り固まった旧来の発想にとらわれず、躊躇なく自分を変える。そのための知識と心構えと、ちょっとした工夫を書いた。

 昨日決まったビジネスのルールが、今日はがらっと変わっている。何十年も盤石だった大企業が、ついこのあいだ起業したスタートアップにコテンパンにやられる。そんな激動の(でもクソ面白い)時代に生き残るのは、簡単なことではない。

 だけど、もう一度言っておこう。

 生き残るのは強い者ではなく、変化し続けた者だ。

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社会のあらゆる問題は
ほぼ解決済み

 実は今の日本では社会のあらゆる「問題」はほぼ解決済み、の状況で、答え自体はとっくに飽和している。

 たとえば水。昔は水道水がまずかったので、おいしい水を飲むのは一苦労だった。ところが今では蛇口をひねれば、どこでも美味しくてきれいな水が飲める。誰も水に困っていない。

 食事や服に贅沢なこだわりがなければ、セブン‐イレブンとユニクロに行きさえすれば、安くてちゃんとしたものが過不足なく手に入る。なんて便利なんだ。今の日本で普通に生活している分には、困ることなんてない。だいたい答えは出ている。解決されてしまった。

 つまり、「問題解決力」は今の日本で圧倒的に必要な能力ではない。それに対して「課題設定力」というのは、当人が気づいていない、言語化されていないことについて、「これ、困ってない?」と言ってあげることだ。

 たとえば女性の生理。1ヵ月のうち約1週間が生理だとすると、女性は1年の4分の1近くを万全の体調ではない状態で働いている。これってすごく大変なことだけど、今までなんとなく当たり前みたいな感じでやってきた。

 でも、誰かが「これって問題じゃないですか?」と言い出せば、「あ、私もそう思う」の輪が広がり、ムーブメントが起きて、社会が変わるきっかけになる。職場でパンプスを履くのが当たり前になっている状況に反対する狼煙が上がったのも、社会に新たな課題が設定された証拠だ。

 満員電車の問題もある。みんな我慢して何十年も乗り続けるけど、あれがさほど問題視されていないって、まあまあヤバいですよ、この国は。

 要は「もっと良くできるよね」という視点や意見を持つこと。世の中はもっと便利にできるだろうし、もっとストレスを減らせるだろうし。……ということをちゃんと提案する力。それが課題設定力。