10年後にはルールが
変わっているかもしれない
かつて「世界がこれからどうなるか」は、 10年後、 20年後レべルなら予測がついた。だからこそ、企業や国家が信頼されたのだ。予測に基づき、「このまま規模を大きくしていきましょう」「このまま機能を追加していきましょう」「このままスぺックを上げていきましょう」に、国民が納得できた。その先には豊かな生活や幸せが待っていたから。
かつては、ビジネスを短距離走にたとえるなら、「足の速いやつが勝ち」というルール が未来永劫変更されないという(錯覚だけど)保証があった。その保証前提で、誰の足が速いかという話だけしていればよかった。足が速いほうが強い、だから足を速くする努力をこのまま続けていけばいい。シンプルこの上ない。
でも今は違う。10年後にはルールが変わっていて、参加者全員がすごいテクノロジーの義足をはめて走っているかもしれない。そんな時代だから、ルールが変わりますと言われた瞬間に「じゃあおれ、ちょっと義足で走ってみるわ」と、フットワーク軽くすぐに検証できる人間が、世の中を牽引する。
未来が不確かな時代こそ、仮説と検証が求められている。それをやっているのは学者でも大企業の人間でもなく、スタートアップの起業家たちだったりする。