ドナルド・トランプ米大統領の批判勢力にとって、予想外のことが起きている。最新のギャラップ社の世論調査では、同氏の全般的支持率は49%、新型コロナウイルス流行への対応に関する支持率は60%となった。国内各地が封鎖され、株式市場で歴史的なメルトダウンが起きたにもかかわらず、トランプ大統領に対する有権者の評価は改善しているのだ。この前例のない危機の今後の展開次第で評価は変わるかもしれない。ただパンデミック(世界的大流行)初期の数カ月間におけるトランプ氏の意思決定に対する、厳しく、往々にして正当な批判は、これまでのところ大統領とその支持基盤との結び付きを崩すには至っていない。トランプ氏の敵対勢力が、彼と有権者の結び付きを崩すのにこれほど苦労している理由の1つは、なぜ非常に多くの米国人が強い破壊力をもった大統領を求めているのかを彼らが依然理解していないことだ。民主、共和両党のエスタブリッシュメント層に属する反トランプ派の人々は、彼の支持基盤やバーニー・サンダース氏支持の運動を支えるポピュリスト(大衆迎合主義者)のエネルギーの幅広さと強さを、いまだに認識していない。トランプ氏が得ている支持は、人種差別主義や宗教的原理主義、根本的な無知の組み合わせだけでは説明できない。