「ほめる教育」が子どもをダメにする理由とは
ちょっと注意したり叱ったりすると、落ち込んで仕事が手につかなくなったり、翌日から休んでしまうような打たれ弱い新人が増えている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新入社員を迎えるこの時期は、多くの社会人が世代ギャップを感じる時期でもある。ちょっとした注意や叱責で傷ついたり、翌日から会社を休む新人も少なくない。『伸びる子どもは○○がすごい』(日本経済新聞出版社)の著者である榎本博明氏は、こうした打たれ弱い社会人を生み出した一因として「ほめる教育」を挙げ、今の教育現場に警鐘を鳴らす。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

傷つきやすい若者が増加

 これまで40年近く学生たちと接してきたが、今時の若者を見ていて感じるのは、傷つきやすい感受性の持ち主が多いということだ。ちょっとしたことで傷つき、落ち込んだり、時に反発したりする。何かと感情的な反応を示しやすい。

 職場でも、ちょっと注意したり叱ったりすると、落ち込んで仕事が手につかなくなったり、ムッとした表情で言い訳したりする新人に手を焼くという声をよく耳にする。ひどいときは、翌日から休んでしまったり、逆ギレして「傷ついた」「パワハラだ」と騒ぎ立てる。そうなるとややこしいため、うっかり注意することもできないという。

 上司がパワハラを疑われたケースを見ても、特に横暴なことを言ったわけでもなく、かつてなら何も問題にならなかったような軽い叱責だったりして、なぜあんなふうに感情的になるのかわからない、と戸惑いを見せる経営者や管理職も少なくない。

 20代~50代の会社員700人(20代~50代の各年代175人ずつ、男女350人ずつ)を対象とした私たちの調査でも、若い世代の傷つきやすさが際だっている。