榎本博明
職場で「すみません」を言えない人が増えている。ミスを指摘されると「先輩だってミスしたことあるじゃないですか!」と逆ギレする若手社員。謝罪どころか攻撃的な反応を示す部下に、管理職は困惑している。なぜ当たり前の謝罪ができないのか。その背景には、自信のなさ、比較意識、認知能力の問題など、複雑な心理的要因が隠されていた。

世間では「謝罪」が大流行りだ。不祥事や事故を起こした企業の謝罪、問題発言をした政治家の謝罪、不倫をした芸能人の謝罪……と、さまざまな謝罪の言葉や映像が世間にはあふれかえっている。しかし、こうした謝罪の言葉を聞いていると「本当に自らに非があると思っているのだろうか?」といぶかしく思ったり、うさん臭さを感じてしまうことも多い。「とにかく謝ればいいんだろう?」といった本音が透けて見え、「そんなもので納得できるわけがないだろう」とあきれてしまうのだ。「誠実な謝罪」と「いかがわしい謝罪」とはどこが違い、どうしたら見分けられるか。そして自分が謝る立場になった場合、謝意がきちんと伝わるよう誠実に謝るには何に気をつけたらいいのだろうか?

「自分は自己肯定感が低いからダメなんだ」という日本人の悩みが、あまりにも的外れな理由
自己肯定感は高くないとダメなのだろうか――。欧米諸国と比べて、日本の若者の自己肯定感が低いというデータがあるが、そもそも、自己肯定感がどのようなものなのか、どのように測定されるのかを知らないことは少なくない。本稿では、自己肯定感を測定する10の項目を紹介する。

「自分に満足」と答えた日本の若者はたったの4割!?米国と比べた「自己肯定感格差」の根本原因
日本の若者は自己肯定感が低いといわれている。内閣府が行った「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(2018年)によると、「自分に満足している」と答えた若者は、欧米諸国が8割だったのに対し、日本の若者は4割強しかいない。どの国際比較データをみても、欧米諸国と比べて日本の若者は飛び抜けて自己肯定感得点が低いのは事実である。それは、なぜだろうか?

仕事そのものの能力については問題ないのだが、コミュニケーションが苦手すぎるがために、せっかくの知識や能力を生かせていない人物というのがいるものである。こうした人材を戦力にしていくにはどのような対処が望ましいのだろうか。

「なぜそうやって仕事をするの?」頭がいいのに仕事ができない部下が答えた“とんでもない回答”
仕事をさせてみると頭が良いと感心するのに、なぜか判断を誤ることが多い人物がいるものだ。時には、そのミスが組織として致命的な問題につながりかねないこともある。能力が高ければ正しく判断できそうなものなのに、なぜ仕事上で大きな問題になるような判断ミスをしてしまうのか?実は、“判断”には、頭の良さや能力以外の認知要因が影響する。有能な人材をうまく生かし、組織のリスクを回避するコツを解説する。

やる気のない部下を抱えると苦労するが、やる気はあってもなかなか仕事ができるようにならない人物も困るものだ。いくらやる気があるとはいえ、温情で放置しておけば部署の生産性も士気も上がらない。何とか戦力になるように育てるには、どうしたらいいのだろうか?

「自分の人生は失敗だった」でも大丈夫、60代での“振り返り”が人生の価値を180度変えるワケ
前回、前々回と、人生の振り返りについてお話ししました。振り返りの中で「自分の人生は失敗だった」と思う人もいたかもしれません。同じような辛く悲しい出来事を経験しても、前向きに受け止める人もいれば、後ろ向きに受け止める人もいます。過去は変えられませんが、今後の人生の満足度や日頃の気分は、出来事の受け止め方次第で変わってきます。

60代を襲う不安に押しつぶされない!「悩みを話してスッキリする」 自己開示の心理的効用4つ
人はなぜ、悩むとだれかに話したくなるのでしょうか? それには、自己開示の持つ心理的効用が関係しています。本稿では、悩みを他人に語ることで得られる4つの心理的効用について説明します。

60代を超えて「人生の喪失期」に入る人と「第2の青春期」に入る人の決定的な思考の違い
人生100年時代、男女の平均寿命は80歳を超えました。仮に80歳まで生きるとして、60歳から80歳まで20年。余生とみなすにはあまりにも長いです。これからの人生を豊かにするために、まずは今までの人生を振り返ってみましょう。

記憶が悪くてミスを連発する部下、どうしたらいい?→「辞めてもらう」以外の2つの対処法
「感じが良い」というのはとても貴重なスキルだ。特に接客業や、社外の人と接することが多い職業においては大きな武器となる。ところが世の中には「感じが良いのだがどうにも忘れっぽい人」というタイプが存在する。予約の電話を受けたのに忘れるミス、日程変更の連絡を受けたのに関係者に伝えるのを忘れるミス……いくら感じが良くても、こうしたミスが続けば仕事は立ちゆかなくなってしまう。どうしたら、こうしたミスをなくせるのだろうか。

どの職場にもややこしい人物がいるものだが、特に厄介なのは何かにつけて攻撃的な反応をする人物だ。別に嫌なことを言ったつもりはないのに、突然烈火のごとく怒り出すのだから、困ってしまう。どう接したらいいのか分からない、という声を聞くことも珍しくない。なぜ、そのような攻撃的な反応になるのだろうか。

近頃は、親や学校から叱られた経験がなくほめて育てられたせいか、ちょっと注意しただけでひどく落ち込み、仕事が手につかなくなってしまう若手部下の扱いに、多くの管理職が頭を悩ませている。そこで有効なのが、心理学でいうところの「原因帰属の体質改善」だ。一体どういうことなのか、具体的に解説していこう。

「まさかうちの子が…」子どもが不登校になったとき、親が「最初の3日」でやるべき最も大事なこと
我が子が不登校になったとき、「まさかうちの子が、なぜ?」と思う親は多い。そのため、いざ問題が起きたときに適切な処置がとれないケースも見られるという。不登校児を「そっとしておく」ことは一見正しそうな対応に見えるが、実はさらなる事態の悪化を招いてしまうのだ。不登校を長期化させないためには、最初の1週間での「初期対応」が重要となる。本稿は、榎本博明『学校 行きたくない 不登校とどう向き合うか』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです。

厳しいことを言うと、すぐに傷ついた、ハラスメントだとみなされてしまうので、不適切な言い訳にも穏やかに対応するしかない。こんな時代ゆえに、やたら言い訳をする部下がいて困るという管理職の声をよく耳にする。だが、そうした「言い訳」を注意深く聞いてみると、その部下が伸びていく可能性が高いかどうかが分かるのだ。そのポイントをお伝えするので、部下の言葉に注意して耳を傾けてみてほしい。

「学校に無理して行かなくてもいいよ」→親に不登校を放置された子どもの行く末は?
「嫌だったら無理して学校に行かなくてよい」と考える大人が増えている。しかし、不登校児の中には、実は登校を望んでいる子どもや、登校しなかったことを後悔している子どもも多いのだという。不登校状態を安易に放置することで、成人後の引きこもり問題にもつながるなど、かなり深刻な問題を引き起こすおそれもある。本稿は榎本博明『学校 行きたくない 不登校とどう向き合うか』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです。

「成功する子ども」と「落ちこぼれる子ども」を見抜くたった1つの質問とは?
厳しい指導をすべて虐待とみなすモンスターペアレンツに萎縮するあまり、現代の学校現場では、子どもへ適切な教育ができなくなってきている。しかし、そうした配慮をしすぎた教育では、子供の自己コントロール力が育たず、大人になってからの不健康、低収入、犯罪リスクが高まるという。子どもの忍耐力や協調性を育てるためには、どのような教育環境が望ましいのか。本稿は榎本博明『学校 行きたくない 不登校とどう向き合うか』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです。

「どうせダメ社員ですよ…」「やる気を出せって言われても…」どんな職場にも、モチベーションが低く、やる気がない人というのがいるものだ。こうした人に対して「頑張れ!」「やる気を出せ!」と説教したところで、ほとんど手応えがない……という経験をしたことがある人もいるのではないか。こうしたときに試してほしい、特に日本人には効果的な方法がある。

社員同士は仲が良く、職場の雰囲気は悪くない。しかしどうもみんなのモチベーションが上がらず、沈滞ムードが漂う。なんとか職場を活気づけることができないか……それは、多くの管理職や経営者が願うことでしょう。今回は、活気のある職場づくりのコツを、仕事のやりがい設計という視点から考えてみます。

「この先、今ある仕事の多くがAIに取って代わられる」とよく言われるが、そうなると今後人々に求められるのは「絶えざる仕事力の向上」である。そのためには、ただがむしゃらに仕事を頑張ればいいというわけではない。仕事力の向上に必須な基礎能力には大きく3つあると考えている。これまで、メタ認知能力(https://diamond.jp/articles/-/345141)、認知能力(https://diamond.jp/articles/-/346732)、について取り上げてきたので、今回は残る一つ「非認知能力」について解説したい。
