世界各国の対応を見ていると、感染の長期化に備える国が多い。新型コロナウイルスは世界各国の需給を寸断している。その上、世界経済の安定を支えてきた米国経済の景気後退リスクが高まっていることは慎重に考えなければならない。ニューヨークでは、失業すると家賃の支払いが難しくなると答える人が40%程度いるとのアンケート調査も報告されている。先行きがどうなるか不安を感じる人は増えている。

 一つの例が韓国だ。韓国政府は、自国の経済にかつて経験したことがないような混乱が迫りつつあると危機感を強めている。3月19日、韓国銀行は米FRBと600億ドル(約6.6兆円)の“スワップ協定”を結んだ。これは、韓国のドル調達を支える措置だ。さらに、韓国中銀は日韓の通貨スワップ協定の再開も目指すなど、ドルの資金繰り確保に必死だ。

 もし、世界各国で新型コロナウイルスの感染が長引けば、世界全体で需要と供給の寸断は深刻化するだろう。その場合、外需に依存してきた韓国が、アジア通貨危機やリーマンショックを上回る経済危機に陥る展開は排除しきれない。さらに、世界各国は自国の対策に手いっぱいだ。韓国が世界からの協力を取り付けることは難しい。

 この状況は、わが国にとって“対岸の火事”ではない。3連休中は、都内の公園などでは花見を楽しむ人が多かった。ニューヨークやミラノの状況を見る限り、感染が拡大し始めると短期間でウイルスを抑え込むことは難しく、社会・経済に与える影響も大きくなる。中国当局は海外からのウイルス流入に警戒感を強めている。

 ウイルス対策を万全にするには各国政府の連携が欠かせない。各国が協調して感染対策や財政政策を用いた医療体制の強化、景気支援に取り組む必要がある。そうした国際体制が整備できるか否かによって、今後の世界経済の運営にはかなりの影響があるはずだ。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)