今年こそ投資で成功したい! そこで今回は、『お金の大学』の両学長が強力推薦する話題書『THE WEALTH LADDER 富の階段 ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』と、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書!」と絶賛されている『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の著者ニック・マジューリ氏に緊急インタビュー。果たして何を語ったのか?(取材/国際ジャーナリスト 大野和基、構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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副業で注意すべきこと
――日本では、副業をする人、副業を認める企業が増えています。
『THE WEALTH LADDER ウェルス・ラダー』にも副業へのアドバイスがありますが、改めて日本人へ注意すべきポイントを教えてください。
ニック・マジューリ(以下、ニック) 多くの人は経済的な理由で副業をすると思います(もちろん、副業が大好きでたまたまお金が入ってくるという人もいるでしょうが)。
まず、これからの時代に大切なことは、常に「収入源を複数持つ」ことを意識することです。
本業を辞めずに副業で継続的に収入が得られれば、早く資産を築くのに役立つ。
投資をするにせよ、副業をするにせよ、重要なのは収入源を増やすことだ。
ほとんどの人は収入源が1つ、つまり本業しかないから、もしその収入源を失えば、窮地に立たされてしまう。投資や副業によって収入源が複数になれば、経済的なリスクを軽減できる。
その副業は、あなたが本当にやりたい仕事ではないかもしれない。
それでも収入面では、長期的には大きな違いを生み出す可能性がある。
どんな投資や副業を選択するかに関係なく、レベル3から抜け出すために効果的なのは、収入を増やすことだ。
(P185~186)
副業と「1%ルール」
さらに大切なのが、副業をする際、それに費やす時間が得られる価値に見合っているかという「時間的な価値」を考えないといけません。
その際に活用していただきたいのが「1%ルール」です。
1%ルールに従って富の階段を登っていく際に検討すべき、キャリアの選択肢をいくつか紹介しよう。
・レベル1(資産1万ドル未満)――時給労働。資産の1%=10ドル以上~100ドル未満
・レベル2(資産1万ドル以上~10万ドル未満)――技能労働。資産の1%=100ドル以上~1000ドル未満
・レベル3(資産10万ドル以上~100万ドル未満)――キャリアアップ、副業、少額投資。資産の1%=1000ドル以上~1万ドル未満
・レベル4(資産100万ドル以上~1000万ドル未満)――キャリア転換、起業、中規模投資。資産の1%=1万ドル以上~10万ドル未満
・レベル5(資産1000万ドル以上~1億ドル未満)――事業拡大、大規模投資。資産の1%=10万ドル以上~100万ドル未満
・レベル6(資産1億ドル以上)――企業体(エンタープライズ)の構築、大規模投資。資産の1%=100万ドル以上
(P71~72)
このように、私はレベル1(生存戦略)とレベル2(教育&スキル戦略)の後のレベル3(投資戦略)で副業をすすめていますが、レベル3で副業にどれだけ時間を使いその時間がどれだけ価値を生んでいるか、そして今後続けるか否かを「1%ルール」で判断していくのがよいでしょう。
「時間の価値」と松下幸之助の人生戦略
副業する際に意識すべきことは、貯蓄が増え、富の階段を登っていくにつれ、「時間の価値」はどんどん高まっていくということです。
ここで本書で取り上げた、松下幸之助さん(1894~1989)のエピソードをご紹介しましょう。
彼は幼い頃に見習いとして働き、9歳か10歳で町に出て仕事を始めました。
その後、電灯会社で働き、やがて社内で最高のレベルにまでのぼりつめました。
しかし、それでも「このままでは自分には十分ではない」と感じ、「新しいこと、自分が信じたものをつくらなければ前に進めない」と気づいたのです。
こうして、見習い→社員→トップ社員→発明家というふうに彼は自然とレベルアップしていきました。
つまり、お金を稼ぐためにある時点でしていることが、別の時点では意味をなさなくなる場合があるということだ。
たとえば私は高校生の頃、父がリサイクル用の空き缶を集めるのを手伝っていた。
カリフォルニア州の施設に持っていけば、1缶当たり5セントもらえる。数袋分集めれば、40ドルから50ドルになった。
しかしその後、社会人になり、スキルを高めていくにつれ、私の収入は飛躍的に上がっていった。今日では、空き缶集めに費やす時間と労力は、もはや私にとってそれに見合う経済的価値をもたらさない。
松下も、キャリアを積み重ねていく中で、同じ気づきを得ていた。
最初は従業員として働き、次に自ら会社を立ち上げ、その会社を成長させていった。
その過程で、戦略を変えていかなければならなかった。
もし松下が検査員としての最初の仕事にとどまっていたら、それ以上の進歩はなかっただろう。事業部制を導入していなかったら、彼の会社は成長しなかった。
松下はそのキャリアを通して成長を続け、収入を増やすために常に視点を変えていかなければならなかったのである。
(P67~68)
自分の時間の価値がどんどん高まるにつれ、「これは自分の時間を使う価値があるのか?」を繰り返し判断していたわけです。
富の階段を登るためには、「自分の時間を何に、どう使うのか」という視点がとても重要です。
あなたの仕事や収入が変化するたびに、ぜひこの「1%ルール」を活用し、時間の使い方について考えてみてください。
ニック・マジューリ(Nick Maggiulli)Ritholtz Wealth Management社の最高執行責任者兼データサイエンティスト
同社の業務全体を監督し、ビジネスインテリジェンスの観点から有益な分析を行っている。ウォール・ストリート・ジャーナルやCNBC、ロサンゼルス・タイムズなどに記事を寄稿。緻密なデータに基づくパーソナルファイナンス関連の人気ブログ「OfDollarsAndData.com」を執筆。スタンフォード大学卒(経済学学位)。ニューヨーク市在住。著書に日本で20万部(全世界46万部)を突破した『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ダイヤモンド社)がある。
(本稿は『THE WEALTH LADDER 富の階段 ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』の著者ニック・マジューリ氏へのインタビューをもとに構成しました)



